環境負荷の低減と汚染防止を目的に、事業所ごとに実態把握と適正処理を実施しています。

化学物質マネジメント

 化学物質の適正な管理と削減を目的に「化学物質適正管理指針」に基づき、「グリーン調達部会」を推進組織の核として、事業所ごとに「化学物質管理部会」を設置しています。印刷関連法規を中心とした、5万件におよぶ法規制と化学物質のマスターデータを作成するとともに、新規購入資材については安全データシート(SDS)を登録し、法規制への対応や、製品への使用低減、お客さまへの情報提供、社員の安全衛生に対応しています。
サプライヤーに対しても「グリーン調達ガイドライン」を公表し、サプライチェーン全体で化学物質の適正管理を進めています。

PRTR指定化学物質

 PRTR指定化学物質は人や生態系に対して有害であり、その多くはVOCの排出を伴います。VOC排出については2025年までの削減目標をさらに掲げており、関わりが大きい当化学物質についても引き続き削減活動を推進します。

PRTR指定化学物質取扱量推移

(千kg)

PRTR指定化学物質排出量推移

(千kg)

PRTR指定化学物質データ(単位:kg)

政令番号 物質名 取扱量 排出量 移動量
大気 公共用水域 土壌・
埋め立て
排出量計 下水道 廃棄 移動量計
53 エチルベンゼン 1,531.1 1,277.3 0.0 0.0 1,277.3 0.0 97.4 97.4
80 キシレン 1,504.6 1,245.0 0.0 0.0 1,245.0 0.0 109.0 109.0
83 クメン 256.9 176.5 0.0 0.0 176.5 0.0 63.7 63.7
134 酢酸ビニル 93.7 59.0 0.0 0.0 59.0 0.0 34.7 34.7
296 1,2,4-トリメチルベンゼン 3,600.5 2,431.6 0.0 0.0 2,431.6 0.0 987.2 987.2
297 1,3,5-トリメチルベンゼン 899.1 558.6 0.0 0.0 558.6 0.0 245.3 245.3
298 トリレンジイソシアネート 850.4 21.2 0.0 0.0 21.2 0.0 72.7 72.7
300 トルエン 152,913.7 19,104.5 0.0 0.0 19,104.5 0.0 14,053.9 14,053.9
306 二アクリル酸ヘキサメチレン 951.8 499.6 0.0 0.0 499.6 0.0 175.3 175.3
354 フタル酸ジ-ノルマル-ブチル 152.6 99.7 0.0 0.0 99.7 0.0 52.9 52.9
392 ノルマルヘキサン 1,840.4 85.7 0.0 0.0 85.7 0.0 137.8 137.8
448 ビス(4-イソシアナトフェニル)メタン 5,889.5 271.4 0.0 0.0 271.4 0.0 462.3 462.3
453 モリブデン及びその化合物 413.6 17.3 0.0 0.0 17.3 0.0 396.0 396.0
- その他 254.2 23.9 1.5 0.0 24.5 0.0 140.4 140.4
合計 171,152.1 25,871.4 1.5 0.0 25,872.0 0.0 17,028.7 17,028.7
集計対象:第一種指定化学物質の年間取扱量が1t以上(特定第一種指定物質は0.5t以上)の日本国内事業所

大気汚染防止

 排出される化学物質が大気汚染につながらないよう、ボイラー、温水発生器、VOC設備などの排出抑制設備のメンテナンス計画的に実施し、排出基準を維持しています。

NOx、SOxの排出

 NOx(窒素酸化物)はボイラー・温水発生器などの設備稼働の際に発生します。光化学スモッグや酸性雨の原因ともなり、高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼし、排出の抑制が必要です。
 当グループでは、発生源となるボイラーなどのばい煙発生施設について、燃焼時の適正な温度と空気比の管理を行っています。また定期的な濃度測定や保守管理など汚染防止に努めています。
 Sox(硫黄酸化物)は、空調設備のGHP推進に伴ってボイラーを順次停止し、重油炊きボイラーを全廃したことにより、現在の排出量は限りなくゼロに近い状況となっています。

NOx排出量の推移

(kg)

VOCの排出

 VOC(揮発性有機化合物)であるトルエンやキシレンは、インキの溶剤成分に多く含まれるため、印刷工程で多く排出されます。
 当社では低VOCインキなどによる代替品への切り替えや使用量の削減、排ガス処理装置により大気への排出を抑制しています。

VOC排出量の推移(大気汚染防止法有害大気汚染物質)

(千kg)

水質汚濁防止

 各工場とも排出汚濁水に応じた排水処理設備を設置し、放流水による環境汚染の未然防止を図っています。水質のモニタリングはpH(水素イオン濃度)、BOD(生物化学的酸素要求量)金属含有量などについて定期的に実施しています。
 常に水質基準を遵守し、管理をしています。

BOD排出量推移

(kg)

土壌汚染防止

 地下タンクや廃液貯蔵施設を中心に、各職場で使用する洗浄剤などの有機溶剤などの漏えい・流出の防止を重点に、防波堤などによる有害な化学物質の流出防止を行っています。

騒音対策

 周辺環境へ基準値を超える騒音が漏れないよう防音構造にするとともに、定期的に周辺地域を巡回して騒音測定を行うなど監視を行っています。夜間操業している事業所では、フォークリフトの警告音などのに配慮するため、屋外の使用を行わないなど近隣への配慮をおこなっています。
 また、労働者への労働安全の観点から、建物の壁に吸音対策を施したり、低騒音機器を採用するなど取り組んでいます。