低炭素社会の実現に向けて、グループ全体でCO2 の削減に取り組んでいます。
経済発展にともなう生産、流通および消費の拡大、ライフスタイルの変化を背景に、エネルギーの消費量は高い水準で増加しています。主にエネルギーの使用に起因するGHG排出による地球温暖化は、地球環境に深刻な影響を及ぼしており重大な問題となっています。
国際社会では、パリ協定で採択された産業革命以前からの世界的な平均気温上昇を2℃未満に抑制する目標が2020年から運用を開始し、具体的に1.5℃に抑える努力が求められています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言が、2017年に財務に影響のある気候変動関連情報の開示を推奨する報告書を公表するなど、投資家をはじめとするステークホルダーからも企業に対する取り組みが期待されています
当グループでは、気候変動起因の災害リスクや森林資源枯渇による原材料調達リスクなど、あらゆる気候変動リスクに対応できる強固な事業体制の構築を進めます。サプライチェーンにも理解と賛同を得ながら、生産時のエネルギーや資源の効率性を高めGHG排出の抑制に努めると共に、提供する製品・サービスにおいてもGHG削減に寄与する製品開発を進め、持続可能な地球環境の保全に取り組んでいきます。
「エネルギー適正管理指針」に基づき、「グループ環境委員会」の専門部会である「温暖化対策部会」を核としてエネルギー管理およびエネルギー原単位改善など、気候変動抑制の活動を行っています。活動内容は担当執行役員を委員長とする「グループ環境委員会」を通じて「取締役会」に報告し、マネジメントレビューを受けています。
各工場や事業所では、エネルギー消費効率を向上させるため、投資効果を総合的に勘案しながら設備の更新や改善、エネルギー制御設備を導入しています。また、メガソーラー級の太陽光発電設備の導入など、再生可能エネルギーの導入にも積極的に取り組んでいます。製品輸送(自社車両)では、配車や輸送ルートの適正化、デジタルタコグラフ(運転記録計)挿入による効率化、アイドリングストップ、ハイブリッドカーの導入など、GHGの排出削減や省エネルギー化に取り組んでいます。
2022年度は、8月に守谷工場の太陽光発電施設を本格稼働させ、老朽化でエネルギー負荷の大きい設備の更新を行いました。またエネルギー料金の高騰により設備運転の見直しをするなど原単位改善活動を強化し、エネルギー消費量、GHG排出量ともに前年を下回りました。今後も引き続きエネルギーの管理と、一層のGHG削減に努めていきます。
GHG排出量の推移
GHG原単位の推移
エネルギー消費量の推移
エネルギー原単位の推移
パリ協定をはじめ地球温暖化による気候変動緩和に向けて世界的な動きが始まっています。当グループも2010年に「温暖化対策部会」を設置し、事業を通じてCO2削減に向けさまざまな取り組みを行っています。この度、築後80年以上経過した本社社屋を耐震性およびセキュリティの強化、職場環境改善による効率性向上などを目的として建て替えを行いました。新社屋は多様な省エネ技術で地球環境へ配慮した設計で、ZEB Ready※1を実現すると共にBELS認証(☆☆☆☆☆)※2を取得しています。また、より快適で効率的な働き方を実現するオフィス環境と、非常時に備えた設備環境を構築しました。当グループは、これまでも主要工場で太陽光発電設備の増設を続け、エコファクトリー化を進めてまいりました。今後も、事業を通じて地球温暖化の抑制に向けた取り組みを行い、持続可能な社会に貢献していきます。
※1 負荷抑制と自然エネルギー利用、設備システムの高効率化で年間エネルギー消費量50%以上削減をめざす建築物
※2 建築物省エネルギー性能表示制度。建築物の省エネ性能を第三者評価機関が☆の数で評価し認定する
BELS認証(☆☆☆☆☆)を取得した新社屋
2階から6階をつなぐ吹き抜け階段