共同印刷グループが中心となり、行政・自治体、地元企業などとのパートナーシップを実現し、経済基盤の整備、地域経済成長を支援しています。
当事業の目標は、地域資源の集団化(地域連携)によって、地域ブランドを開発、発信し、域内外からの外貨を獲得することです。そのため本年度は仙台市と共に、「地域ブランド構築事業」「デザイン活用による中小企業競争力強化事業」「企業間連携による中小企業の課題解決事業」の3事業に取り組んでいます。
「地域ブランド構築事業」では、マーケティング(販促や販路など)支援により、参加事業者や取り扱いアイテムを充実させ売上の拡大を図ります。「デザイン活用による中小企業競争力強化事業」では、商品コンセプトに基づいたプロダクトデザイン、スペースデザイン、コミュニケーションデザイン(販促ツール企画)などを強化します。そして、「企業間連携による中小企業の課題解決事業」では、プラットフォームを活用した企業マッチングとコンサルティングにより、パートナーシップを活用した商品開発を促進させます。
こうした複合的な事業から開発された商品がブランドのラインアップに加わることが、地域ブランド「都の杜・仙台」のさらなる価値向上につながります。また、参画事業者同士のパートナーシップで開発された商品を国内外の市場に送り出し、ブランドの世界観を発信することで域外からの誘客を図り、観光客の受け入れ態勢を整備することも視野に入れています。
今後も仙台市、参加事業者とのパートナーシップによりブランド構築の基盤整備を推進し、外貨獲得を実現させて、仙台市の活性化を支援していきます。
地域資源(モノ・コト・ヒト)の集団化による地域ブランド確立を行い、域内域外からの外貨獲得をめざす。
藤崎は2019年に創業200周年を迎え、長期経営戦略などを構築する「未来創造ラボ」を創設しました。また、仙台市と当社は地域産品の販路拡大に向けた連携協定を結び、当部署が戦略的ミッションの一つとしてブランド構築事業に参加しています。百貨店の強みであるマーケティング力などを活かして地域のリーダー役となり、参加企業を結び付けた商品開発や域外販路拡大を推進していきたいと考えています。将来的には、東北一円の地域の皆さまと新たな価値を共創し続けるプラットホーム化をめざしています。仙台市と共同印刷には、今後も参加企業のレベルアップと団結力を高めるご指導をお願いします。
パティシエの兄とバリスタの弟がタッグを組んで、遊び心がある独創的なスイーツとドリンクを提供しています。本プロジェクトには、「団体戦で外貨を稼ぐ」というコンセプトに共感して参加を決めました。プロジェクトを通じて域外に出られたことで大型受注が決まりましたが、次の課題も見えてきました。域外で多くのお客さまに付加価値の高い商品で感動を与えるには、販路に合わせた商品開発や生産体制の見直しが必要です。今後もプロジェクトのなかで多くのことを学びながら、地域ブランドと共に、成長を続けたいと思っています。
日本神話に登場する「奴奈川姫」をモチーフとしたブランド構築の相談をいただいたのが2016年のことでした。初年度はブランドのゴールと、コンセプト構築からスタート。コンセプト構築での課題は、「マーケットイン」発想でターゲット設定をすることでした。姫の国プロジェクト委員会で「どんな人に奴奈川姫の魅力を届けたいか」という議論を深めた結果、「奴奈川姫の想いを現代の女性たちにつなげ、結んでいくような存在のブランドにしたい」という意見から、ブランド名を「むすびいと」に決定しました。2年目以降も、委員会の皆さまと共に、より多くの"ファン"を作るためのブランディング活動を続けています。
異業種の女性経営者が集まったプロジェクトチームで、常に活発な意見を出し合いながら、ブランドコンセプト策定や商品開発の検討などに取り組んできました。立ち上げから3年目で、対象商品は12事業者25品目にまで拡大しています。昨年度は、東京の催事売り場で「むすびいと」ブランドの商品を販売する体験をして、数多くの女性のお客さまからブランドへの共感をいただけたと感じました。しかし、ブランドがもっとターゲットに刺さり、購入に結びつくには、ターゲットの絞り込みや、コンセプトを際立たせたコミュニケーション、ストーリー性のある商品開発などが必要だという課題も見えてきました。これからも、商工会議所や共同印刷と共に課題を解決しながら、「むすびいと」のファンを域内外で育てていきたいと思います。